2009年4月23日木曜日

ノロウイルスで2人死亡 新潟の老健施設、45人感染

新潟県胎内市の介護老人保健施設「中条愛広苑」は23日、入所者32人や職員13人の計45人がノロウイルスに集団感染し、92歳と87歳の女性2人が死亡したと発表した。入所者が今月10日に嘔吐した際、通常の殺菌処理で済ませたため、感染者が拡大したとみられる。その他の感染者に重篤な症状は出ていないという。

 施設を運営する医療法人「愛広会」によると、4月10日、病院を退院した87歳の女性が入所した際、2階の居室で容器に吐いた。女性が「車に酔ったようです」と話したことから、職員はノロウイルスへの感染を疑わず、通常の殺菌処理で対応した。

 12日になって職員5人が嘔吐や下痢を訴えたため、13日に施設全体を消毒。14日に新発田保健所の立ち入り検査を受けたところ、発症者3人全員の便からノロウイルスが検出された。感染は拡大し、17日に92歳の女性が急性大腸炎による脱水症で死亡。22日に87歳の女性が急性腎不全による脱水症で亡くなった。

 県庁で記者会見した一條完療養部長は「最初の嘔吐があった際、(ノロウイルスに対して最も効果のある)次亜塩素酸ナトリウムを使っていれば感染拡大を防げた可能性がある。原因を検証し、再発防止策を徹底したい」と話した。

 施設は平成11年に開所。18年1月に入所者ら29人がノロウイルスに集団感染したため、毎日、床と手すりを消毒するなどの予防対策を取っていたという。

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